和訳が直訳的で、読んでて腹立ってくる人も多いと思います。 内容としては、例題を使ってJAVAのクラスを網羅的に説明したもので JAVAの本にありがちなアプレットで遊ぶといったものとは一線を隔した
JAVA言語そのものを正面から捉えたものです。
JDK1.2も近々出るところでJDK1.0ベースというのもいささか時代遅れの感はありますが、手元に 置いておきたい本です。ちょっと値が張るのが難点です。
3日で解るJava 桑原恒夫 著 共立出版 定価 2,400円
共立出版というと教科書というイメージですが、果たして表紙も内容も教科書的です。 「○日で解る・・」というのは、○日で読める、つまり内容の無い本というのが通説で、普通なら手に取ることもないのですが、出版会社の懐かしさからつい立ち読みして、その場で買うはめになりました。
サブタイトルに「例題学習方式」と銘打つだけ あって、まず例題プログラムがあって、その1行1行に事細かな解説を加えることでJAVA 言語を理解させようとするもので、入門書としては今のところ一番いいと思います。
例題の選び方が巧妙で、例題の数としては少ないのに、基本的な考え方はほとんど含まれていて、入門書としてはもとより、少し慣れた人がいろいろな事を調べるときに
も便利です。
読んでみると分かりますが、説明が紙芝居的に進められるため、通勤電車で読むだけでも実習したのと同じレベルの理解が得られるというのは画期的です。なお、扱っている書店が少ないようで、名古屋では丸善でしか見当たりませんでした。
オブジェクト指向開発講座 Tucker 著 翔泳社 定価 3,200円
「3日で解るJava」で書いたとおり、Java言語だけ覚えてもそれを活かす 分野(仕事)がなければ、話の種で終わってしまいます。かといって今の仕事を
Javaで実現するには、設計からすべて考え直す必要があります。Javaは純粋に オブジェクト指向の言語であり、そのための開発手法を担当全員が把握するには、
相当の時間と労力を必要とします。とは言ってもJavaがプログラミング言語の 主流になることはほぼ間違いないと考えられるため、今から3年ぐらいかけて手法を
馴染ませていく必要があると少し焦っているところです。
前置きが長くなりましたが、そんな訳でオブジェクト指向開発についての分かり やすい本を探していたのですが、この本が名古屋駅地下の三省堂で新刊として扱われ
ていました。サブタイトルに「憂鬱なプログラマのための」とあり、今までにオブ ジェクト指向にチャレンジしては苦杯を舐めてきた人たちを対象と考えているよう
です。DDJ(ドクター・ドブズ・ジャーナル)日本版に連載されていたもので、好評 につき加筆して書籍としてまとめたようです。
オブジェクト指向による開発は、大きく分析・設計・実装に分けられますが、従来の 手続き型言語と違って分析の占める比重が大きく、この段階で一旦クラスを定義する
とこの観点はは設計・実装に受け継がれ一貫した流れの中で開発が実現できることが 特長となっています。この設計、実装を通して見方が変わらないという点がC言語で
の開発とは大きく異なり開発効率を高める要因となるようです。この辺のところが 「オブジェクト指向とは何か」から始まって、「C++言語による実装」まで隙間なく
説明されており、その説明自体もたとえを織り交ぜて明解な表現となっているため、 読んでいて納得のいく内容です。特に、プログラム再利用の観点での圧倒的な優位性
についての記述を読むに至り、「バージョンアップとは作り直しのことである」に 近い経験を持つ私にとっては、「オブジェクト指向開発」というものをより魅力的に
感じさせる印象深い一冊となりました。 惜しまれるのは、実装言語にJavaを使っていない点と、業務システムに必要な データベースを基本とした処理についての例題がないことです。
詳細JAVAプログラミング 臼井和敏 著 CQ出版社 定価 2,700円
C言語、C++言語との比較において、JAVAを解説するという手法を使っており、 これらの言語習得者には差分として理解できるため、分かりやすいのではないかとの
予想で購入したものですが、C++はいいとして、C言語とは考え方が違うため、 これを単純に比較したところでよけいに分かりにくくなるのではないかというのが感想です。
途中からは「オブジェクト指向の体験的習得」として、例題を用いた分析・設計・ 実装の説明があり、最後にビンゴゲームをアプリケーションとアプレットの両方で
実現する例題を加えて理解を助けています。
JAVAイントラネット構築技法 星野光一 著 アスキー出版局 定価 2,800円
前半で、汎用的なボタンのクラスやファイルアクセスのためのストリーム、TCPや UDPを使った通信、JDBCとODBCを使ってのデータベース(Microsoft
Access)操作、 スレッドを例題を使って説明し、後半ではこれらを基礎技術として簡易な勤怠システム を入力画面をアプレットで、データベース処理をアプリケーションで実現しています。
JDBCの使い方を習得するにはいいと思います。付録CD-ROMのソースを用いて自分のパソコンで動くのを確認しています。
最近、書店にもコーナーができるほどの人気になった PC-UNIXですが、安くて、速くて、安定しているとくれば、 使わない手はないということでしょう。
内容は、付録CD-ROMを使ってのLinuxのインストール Xウィンドウのインストール、カーネルの再構築などの他、 UNIXの基本コマンドやMule、LATEXなどの使い方も詳細に記述されているので、
UNIXそのものの入門書としても役に立ちます。 ノートPCへのインストールについてもまとめて説明するなど Linuxインストールについて網羅的に書かれた良書です。
Linux活用入門 小林直行 著 CQ出版社 定価 1,480円
Linux/FreeBSD日本語環境の構築と活用 佐渡秀治 著 ソフトバンク
定価 2,600円
UNIX-Windowsネットワーキング SAMBA/NFS徹底活用法
小田切耕治 著 テクノプレス 定価 2,000円
Webセキュリティ&コマース Simsom Garfinkel 著
オライリージャパン 定価 4,900円
UNIXやWindows上でインターネットに関する処理をPerl言語を用いて自動化するといった趣向の本で、半分の頁をサンプルリストに割いています。実例としてSMTPやPOP3のクラ
イアント、WWWクライアント、FTPクライアントを用意し、自動化へのヒントを提供しています。日本語文字コードについても詳しく扱っているため、その向きでも利用度は高いです。冒頭のPerlのネットワーク関数についての解説は、ソケット通信習得のための
実習にも利用できるでしょう。
続・HTML入門
Laura Lemay 著 プレンティスホール 定価 3,900円
Perlで作るCGI入門 基礎編
結城浩 著 ソフトバンク 定価 2,600円
CGIプログラミング
Shishir Gundavaram 著 オライリージャパン 定価 4,996円