●エピソード-13 迷走する愛のベクトル●


我が家の家族構成について考える


【図1】一般的に見た tri 宅の家族構成

普通に考えると
「人間の夫婦と番(つがい)の小鳥が仲良く暮らす家」

 ですが……


【図2】エミリアから見た家族?構成

最愛の爺やと世話係の婆やとエミリアの三人家族
+ケダモノ


【図3】アントニオから見た家族?構成

敬愛するエミリア姐さんとアントニオ、
そして巨大生物が同居する部屋

 ……と、こんなふうに認識が異なるようです。
 今回のエピソード13では、インコたちの愛の行方を追ってみましょう。

  ※新顔カルロスちゃんについては、エピソード15からUPしていく予定です。



爺や大好き

 いつも構ってくれる爺やのことが大好きなエミリア。首を伸ばして、両方の目でまっすぐ見つめるその姿には愛があふれています。
 額が角張って、左右の翼の先が交差してるときは興奮+嬉しいとき。

頭が四角い

首が伸びーる

これは愛が最高潮になってるときのポーズ!

翼の先が交差してます

左に同じ

ちなみに通常時の翼はコレ

爺やの次に好きなのは(その1)

 お茶が入ったペットボトル。
 その形と動き(人が動かしてます)、ちゃぷんちゃぷんという音に大興奮。目つきも尋常ではありません。


爺やの次に好きなのは(その2)

 洗面所で爺やがドライヤーを使っていると必ず飛んでいきます。ドライヤーの高周波ノイズが好きなのに加え、髪を乾かすときの手の動きにもドキドキ・ワクワクなのです。



一方、こちらは……

 熱烈というより執拗なアントニオのアプローチ。
 しかしエミリアはそれに応えるどころか威嚇します。

 最初の頃は一つの鳥籠に同居していましたが、あまりに激しいアントニオの求愛がエミリアのストレスになってきたので、2005年ごろから別居しています。

ここで、予習的用語解説:“バードヘッド”について

 バードヘッドというのはセキセイインコ用のポピュラーなおもちゃです。
 野生の状態では集団生活をしているセキセイインコは、一羽で居ると寂しくなってしまうことがあります。そんなとき、このバードヘッドを友達や恋人に見立て、嘴でつんつくするんです。

 我が家のように複数羽飼っている場合はほんとは必要ないんですが、過去に実家で使っていたものが奥から出て来たので、アントニオの籠に取り付けてみました。

もひとつ予習:セキセイインコの愛情表現について

 セキセイインコに限らず多くの鳥に見られる行動ですが、オスは食べたものを吐き戻してメスにプレゼントしたり、育雛中であれば雛に食べさせたりもします。

届かぬ想い

 エミリアに嫌われてしまったアントニオは、行き場のない愛をバードヘッドに向けました。
 はじめの頃は吐き戻しをバードヘッドにちょっとくっつけては、それを食べていたのでなんの問題もなかったのですが、日を追うごとに吐き戻しの量が膨大になり、餌箱がすぐに空になるほどに!
 バードヘッドはベタベタに汚れてしまうし、鳥籠の床には吐き戻した餌が積もって塚のようになってます。



↓バードヘッドと鳥籠の床の様子。あまりにも見苦しいのでモザイクかけましたが、どうしても、というかたは画像をクリックすればモザイクなしを見られます。※オエッてなりますよ!

 衛生的にも経済的にもあまりよろしくないと判断した爺と婆は、バードヘッドを鳥籠から撤去しました。

 愛を向ける対象がなくなってしまったアントニオは、そこで我に返ったのでしょうか。この時以来、吐き戻しを全くしなくなり、至って平静に暮らしています。

エミリア嘔吐事件

 2006年5月11日の晩。いつものようにエミリアを鳥籠から出して遊ばせていたときのことです。 エミリアが何度もあくびをしたり、足で口元を掻いたり、なんだか様子が変です。

 一見あくびのような仕草は実は嘔吐の予兆で、このあとすぐに「オエー」という嘔吐がはじまりました。

 求愛行動としての吐き戻しとは全くちがい、出てくるのは消化液ばかり。見るからに苦しそうです。吐いた液が顔につき、それを足で掻きむしるので、顔がくちゃくちゃになってしまいました。
  ……数日前に空豆の皮を齧らせたのがまずかったかなぁ?
 人間はどうすることもできず、ただオロオロするばかり。 ともあれ、安静にさせるために鳥籠の中に戻して、そばで様子を見ていました。

 嘔吐は数分つづき「このまま死んでしまったらどうしよう」と途方に暮れていたそのとき、エミリアが異物を吐き出しました。 米粒3コ分ぐらいの大きさで、黒っぽくてドロっとしたものです。 このあと、しだいに嘔吐が収まってきたので、暖かくして早めに寝かせることにしました。

 幸い、翌日には元気になり、糞の状態も良好に。
そうだ、吐き出した異物がなんだったのか確認しとかなきゃ。

 一夜明けて乾燥した異物をよーく眺めてみると、それは衣類の繊維のようでした。
 もっと具体的に言えば、婆のフリースベストの繊維と爺のパイルのパジャマの繊維のように見えました。
  ……そういえば、このごろよく毟ってたものなぁ……。
 昨夜の発作は空豆のせいではなく、この異物を吐き出すためだったのかもしれません。 念のために鳥の病院を受診してみました。

 問診、触診、咀嚢(鳥の胃袋にあたる器官)検査、顕微鏡を使った糞の検査などを一通り受けます。 吐き出した異物も持っていって調べてもらいました。
 結果、咀嚢が少し炎症を起こしているほかには特に問題なしとのこと。よかった。
 飲み薬(抗菌薬か抗炎症薬)を処方されたほか、健康のためのアドバイスをしていただきました。

先生:「このコはわりといつも発情してますか?」
婆 :「はい、鳥にというより人間に対して発情してます」
先生:「やはりそうですか。触診時に輸卵管が発達してるのがわかりました。
    発情時はビタミンやミネラルが不足気味になりますので、
    青菜を欠かさずに与えてください。それからボレーも。
    日光浴もさせたほうがいいでしょう。」

婆 :「咀嚢炎の心配はありませんか?」
先生:「検査の結果、それは大丈夫のようでした。
    ただ、今回は異物を吐き出すことができましたが
    うまく吐き出せなかった場合は命に関わりますので、
    繊維を飲み込ませないようにして下さい」


先生、ありがとうございました。
エミリア〜、心配したけど元通りになってよかったね。 もう私たちの服を毟らないでね。


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鳥との日々
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