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金曜日

 6時起床。検温のあと、洗顔・歯磨きと簡単な身支度を終えると、手術衣(右図)とT字帯を渡されて着替えるよう指示される。水色の手術衣は膝丈・前ファスナーのスモックみたいな服。肩や体側(図の赤い破線部分)はマジックテープ留めになっているだけなので、ちょっとスースーするような。診察や処置をし易い仕掛け。T字帯というのは、つまり……木綿のふんどしです!

朝食なし

 絶飲食中なので朝食は抜き。麻酔の効きがよくなるようにと「ハルシオン」という睡眠薬を飲む。 お次は…… これも初体験の浣腸。いや〜ん。

点滴・輸血ルート設置の準備:
 手の甲に「ペンレステープ」と呼ばれる透明シールのようなものを貼る。このシールには麻酔薬が塗ってある。輸血ルート設置の際に少々太めの針を刺すので、そのとき痛くないようにとの配慮だとか。

 午前8時45分、ストレッチャーに乗り手術室へ出発。天井を眺めながら廊下を行きエレベーターに乗る。めったに経験できないことでしょう。
 地下の手術室に到着。ドラマや映画でよく出てくる無影灯と手術台のホンモノだ〜! 
 ここで、先ほど貼った手の甲のシールが剥がされ穿刺。麻酔導入剤(意識が遠のく薬剤)を点滴される。

 麻酔医:「眠くなってきましたか?」
 tri:「いいえ」(ぜんぜん眠くないです)

  ――数分後――

 麻酔医:「眠くなってきましたか?」
 tri:「そういえば、目が回るような……」
 麻酔医:「ハイ、いいんです。それで。」
 tri:(それにしても、手の甲がヒリヒリする。
      麻酔導入剤ってこんなにヒリヒリするのか……)

意識がここまでで途切れる。

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 名前を呼ばれて目が覚めると、ベッドに乗って病室へ移動しているところだった。(往きはストレッチャーなのに帰りはベッド。なんでだろぅ〜♪) 手術は無事終了したようだ。時刻は午前11時すぎ。麻酔で寝ている間に尿道にはバルーンカテーテルとやらが通され、顔には酸素マスクをつけている。

 手術中の様子は本人にはまったくわからないが、事前の説明によると手術台にうつぶせに寝かされ、尻の上のほうから太めの注射針で骨盤骨の髄液を採取するとか。(採取部位のみ肌を露出。他は手術衣やシートで覆われる)

 室温低めの手術室で肌を露出して手術を受けるので、体温が少し下がっているらしい。(これについても術前に説明を受けていた。)本人は朦朧としているせいもあり、それほど寒いと感じていないのだけど、歯がガチガチ言うほど震えている。電気毛布で保温してもらう。

 そうしている合間にも血圧を測定したり採血したりと看護士さんは忙しい。術後は静脈が引っ込んでしまって見つけにくいとかで、なかなか採血できず難儀したそうな。翌朝になって「昨日は何度も刺してごめんね〜」とお詫びされたが、刺された記憶がない。

昼食なし

 消化器系の手術でもないのに……どうして絶飲食なんだろー?!

 今回、骨髄液を600ccぐらい吸い取られたらしい。それだけ大量に吸い取られると貧血を起こす恐れがあるので、術前に次のような準備をする。1. 手術の2週間前に自己血を採血・保存しておく(私の場合は400ccほど)。2. 鉄剤の服用や食生活への配慮により造血に努める。3. 保存しておいた自己血を骨髄採取の際に点滴で戻して貧血を防止する。
 自分の血が自分の体に戻る様子を見てみたかったが、輸血は手術中に終了してしまうので、残念ながら見ることはできなかった。術後には生理食塩水+電解質とか抗生物質などが点滴されている。 絶飲食中でもそれほど喉の渇きを感じないのは点滴のおかげか。

 全身麻酔のほか局部麻酔も施されていたようで、下半身が思うように動かない。足腰がまさしく「鉛のように重い」と感じる。看護士さんが枕をあてがったりして、できるだけ楽になるよう工夫してくれているが、手術で穿刺された部位(尻〜ウエストの中間あたりに二ヶ所)の痛み、そして生理痛にも似た腰の痛みはどうにもならない。

 穿刺の傷口を圧迫・止血するため、基本的には仰向けに寝る。ドクターが傷口を消毒する際には俯せに体位変更。しかし傷口が痛いし、左手の甲の点滴管と尿道の管が手足に絡みそうになるので、向きを変えるのはとっても大変。軟膏状の消毒薬がこれまたシミルのだ。

 今日一日は安静にしてないといけないので眠っていようと思うのだけど、術後は1時間おきに点滴の状態チェックがあるほか、数時間ごとに検温・血圧測定・採血がある。そのため、まどろんだかと思うと名前を呼ばれて目が覚める。寝ぼけて看護士さんを手間取らせたり……。

試飲
 手術後、試しに少量の水を飲んでみて、大丈夫だったら夕食がもらえるらしい。

 夕刻、隣のベッドの患者さんに声をかけられる。
「朝から何も食べてないから、お腹空いたでしょー?」
「もうペコペコです〜」

夕食ご飯 酢豚 春菊のスープ 
三つ葉の大根おろし和え ハッサクらしき柑橘

 ああ、やっとメシにありつける。絶食直後に酢豚とは、ちとヘビーだけど。
 前夜はもちろん自力で起きてベッドに腰掛けて食事したが、今回は自力で起きるのが困難なのでベッドの電動リクライニング機能を使用。珍しがって喜んでいると、看護士さんが「今しか体験できませんからねー。たっぷり堪能してくださいよ(笑)」って。

 ベッドから一歩も動けないので洗面もハミガキも無理かと思いきや。看護士さんは、顔や身体を拭くための蒸しタオルをわざわざ持ってきてくれ、しかも歯磨きの世話まで焼いてくれる。なんだか申し訳ないような。


長い夜
 痛み止めと睡眠薬を処方してもらったが、さきに書いたような各種測定が一晩中続くためにあまり眠れない。穿刺部位の痛みは仕方ないが、点滴管と尿道管のために存分に寝返りできないってことが苦しい。早く取り除いてほしい。朝が待ち遠しい。

 点滴の液って、滴下のスピードを設定したらあとは重力に任せて勝手に落ちていくものだとばかり思っていたけど、そうではないみたい! 夜中に点滴液の交換(というか追加)を受けたとき、液が落ちなくて看護士さんが苦労していた。腕の位置を少し変えただけで滴下の速度が変わったり、まったく落ちなくなってしまうってことを翌朝知った。昨夜のうちに知っていたら協力できたのになぁ。


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