視力矯正の罠



 私の裸眼視力は0.02程度しかない。どうしてこんなにひどい近視(と乱視)になってしまったか? テレビの見過ぎとか細かい仕事の所為もあるけど、今では「ライフスタイルとマッチしない過度な視力矯正の結果」だと思っている。


 近視はだんだん進行することが多いので、一定の基準(たとえば「矯正視力0.7以上」とか)をクリアし続けるためには数年に一度眼鏡を作り直す必要がある。私も過去に7〜8回眼鏡をつくり替えたが、その際に近視進行の理由について考えたことはなかった。
 眼鏡屋さんで視力検査をして、新しい眼鏡を作る相談をする。
 「せっかく作り直すんだから、なんでもハッキリ見えるほうがいいでしょう?」
と店員さんに勧められて「それもそうだ」と思う。そうして度の強い眼鏡を作る。なるほど、遠くのものまでハッキリ見えて爽快。

 ところで、私自身のライフスタイルはどうだったろう? 

 20代半ばの頃やっていた仕事は、2mmにも満たない細かい文字を切り貼りしたり、数センチ角の小さな地図のトレース、ワープロ入力などだった。
 そして帰宅後はテレビゲームに夢中。つまり、近くのものばかり見ていたわけだ。だから近視も進んだ。

 しかしよく考えてみると、近視というのは近くを見るために適応した目の形態だとはいえないだろうか? だから、遠くを見るための眼鏡をつくったならば、遠くを見るときだけに使用すればよかったのだ。そのことに気付くのが遅すぎた。

 遠くがよく見える眼鏡をかけたまま、細かい作業やゲームを続けた結果、目はその状態に適応し、ますます近視が進んだ。「遠くが見える眼鏡をかけていても、近くがよく見える」ようになったわけだ。
 近視の進行→眼鏡の度を強く→さらに近視の進行……と繰り返したため視力は0.02にまで落ちてしまった。


 現在使用している眼鏡での矯正視力は0.2程度。そんなんでは眼鏡をかけている意味がないとお思いの方もおいでかと思うが、仕事・パソコン・趣味の版画・読書・家事etc...もこの矯正視力で不自由なくこなせる。普段の生活はこの眼鏡で十分だから、もう度を強くするのは止めにした。

 おでかけのとき……洋服売り場のプライスカードとか駅の料金表示、洋画の字幕などは見えにくいので、 おでかけ専用の眼鏡をつくるのもいいかな、と思ってはいるが、実はここでもうひとつ、顔の問題がでてくる。

 近視用の眼鏡をかけると、目が小さく見える

 近視の眼鏡は凹レンズなので、目が小さく見える。度の強さにもよるが、私の眼鏡の場合9割ほどの大きさにしか見えない。ちなみに、ケント・デリカット氏が使用しているのは遠視用の凸レンズだろう。だから目が大きく見える。
 もともとの顔のつくりはしょうがないとしても、さらに不細工に見せるのは避けたいものだ。

 眼鏡レンズの厚みを抑える偏光レンズはすでに実用化されているが、「目が小さくならないレンズ」というのは未だ開発されていないらしい(メガネドラッグで尋ねた)。そんなレンズの登場を待ち望んでいるので、光学メーカーさん、開発よろしく。(え、コンタクトレンズにしろって?)

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