一.勝ち残る事しか許されない自然淘汰の中で
    たった一人の勝者と数知れぬ敗者たち

   高さを競うかのように立ち並ぶガラスの森
     まるで出口のない迷路を彷徨い続けているようだ


二.タイプライタがカタカタと乾いた活字を並べる中で
    一喜一憂の感情さえ入り込む余地などありはしない

   言われるままをなぞるインコのように
     まるで単調なメロディの中で悪戯に踊らされる人形のようだ
       
  
三.ある者は激しい嫉みと限りない憎しみを込めて
    またある者は冷やから眼をして

   誰もが我れ先にと盲信する
     何故か一番大切な何かをかやの外に置いたままで
       

ガラスの森