一.解き放たれた蛍のように君は飛び立っていくんだね
        言葉だけのあやとりに業をにやしたと言うけれど

    僕にとって君は
       とても大切な大切な女であったから

    確かに君を思いやる事と臆病になる事とは違うはずだね

二.咲きそびれた無花果の花が時の流れをせき止めている
        嘘の上に嘘を重ねた日々の空回り

    まぶしすぎるほどの光は
       かえって色鮮やかな影を映し出すものだから

    確かに恋はいつでも二人三脚
           どちらか一方が繕えるものでもないはずだね
        
三.誰の手も借りずに一人で生きる 君は最後にそう言ったね
        雨上がりの空が美しい虹を着飾るように

    君よ 輝け
       そしてひと雨毎に深みを増す緑のように
           君よ 逞しく生きろ

    確かに恋はいつでも陽炎の揺らめき
                 命はかない蛍火のようだね


蛍火