一.真っ暗闇の中をひたすらに
               走り続けてきた
   土砂降りの雨の中をひたすらに
               走り続けてきた

    そこには行く手を照らす光さえなかった
    そこには雨を凌ぐ傘さえなかった

   暗中模索と試行錯誤の繰り返しの中で
    濡れ鼠になって這いずり回る日々の苛立たしさを
       いったい誰にぶつけたら言いのだろうか

二.あえて遠回りを拒まずに
               走り続けてきた
   あえて砂利道さえ厭わずに
               走り続けてきた

    そこには言い知れぬ孤独があった
    そこには報われる虚しさがあった

   右顧左眄と七転八倒の繰り返しの中で
    四面楚歌の只中に放出された兵士のような
       周章狼狽を余儀なくされるのは何故だろう


   真っ暗闇の中をひたすらに
               走り続けてきた
   土砂降りの雨の中をひたすらに
               走り続けてきた

    そして力尽きて倒れる時
        それが死か
真っ暗闇の中を