一.花に舞う蝶たちのように 何もかも忘れられたら
花に群がる蜜蜂のように 何もかも忘れられたら
磨り減った石畳の道に
いくつもの焦燥と絶望があった
その度に
君の天使のような無邪気さが
この僕に生きる勇気を与えてくれた
君の天使のような純真さが
この僕に生きる喜びを与えてくれた
身体を蝕んでゆく白血病の病魔にとりつかれ
君はその弱りきった身体に鞭打って
この僕を慰め続けてきたのか
君の澄み切った愛に僕が作曲した愛のシンフォニー
この指の骨が折れるまで
君のためだけに弾きつづけよう
二.空に遊ぶ小鳥のように 何もかも忘れられたら
空に浮かぶ白い雲ように 何もかも忘れられたら
錆付いた手すりのある階段に
幾度もの苛立ちと挫折があった
その度に
君の天使のようなひたむきさが
この僕に生きる力を与えてくれた
君の天使のような健気さが
この僕に生きる希望を与えてくれた
死の宣告を受けた白血病の恐怖に喘いで
君はそのやつれきった身体に鞭打って
この僕を励まし続けてきたのか
君の一粒の涙に僕が奏でる愛のシンフォニー
この僕の命ある限り
君のためだけに弾きつづけよう