冨田昌吾&中務飛鳥 結婚2周年記念座談会(いいたいほうだい)

昌吾(以下S):この7月20日でわたいらの結婚も2周年ということで。早いような、長いような、あっというまのような。よくわかんないけど。でも、人に7月20日が記念日やっていうと、変な顔されるやろ。4月29日やないのかってさ。
(注:2001年4月29日に二人はお披露目会をした。人はそれを披露宴とよび、勝手に記念日にしたがる)

飛鳥(以下A):それもそうやけど、この前友達に「えっ?籍入れてなかったん?」と言われてびっくりしたよ。籍入れてるけど、名前は中務を使ってるって思われてるのかな〜と思ったわ。

S:それって一般的な夫婦別姓のイメージなんちゃう?

A:日本の今の法律では、婚姻届出したらどちらかが名前を変えなきゃあかんから、別姓にしたくて籍を入れてないカップルは多いみたいやね。インターネットで「事実婚」とか「夫婦別姓」とかのホームページみても、別姓できるようになったら籍入れるって話は多い感じがする。

S:というふりがあるってことは、うちらは、夫婦別姓の法律が仮に通ったとしても、籍は入れへんということですかね。

A:でしょ。今の生活に何も問題ないと思わん?

S:ちがうちがう。今の生活に問題があるかないかではなくて、姓に関してどう思っているのかっていうこと。姓を変えたくないから、籍を入れていないのではないよね。って言いたいの。

A:わかるけど。でも姓も変えたくない!結婚してても「中務飛鳥です」って言うのが私にとっては普通だよ。だからそれも理由のひとつ。でも、昌吾が言いたいのは、戸籍そのものについて「おかしい」と思うっていう話でしょ。

S:そうそう。でも確かに、僕も姓は変えたくないからね。結婚すると姓が変わるって事自体は、姓が一般社会の中で、固有名詞として力をもっている日本では変な気がする。ただ、うちらの中での話は、単に姓を変えたくないから、籍を入れていないというのではないでしょう?

A:だって戸籍っておかしいやん。いろんな差別も戸籍があるから生まれてるものもたくさんあるし。もし私らに子どもができたとして、今のままだと「非摘出子」ってのになるわけで。
みんなによく言われるで〜「子どもができたらこどもがかわいそうや」って。でも「かわいそう」って言う人がいるからかわいそうになるだけで、紙きれ一枚のことなのにね。そんなものに人の価値なんて関係ないのに・・って思うけど。

S:子どもがうまれたらどうすんの?っていうのは、よく言われるよね。子どもが生まれたら、籍をいれるのか、子どもの姓をどうすんのかってね。僕なんか、子どもの姓はどうすんのって言われたら、だいたい「じゃんけん」できめるって言ってるわ。

A:それってぜったいみんなに「冗談」って思われてるやろ。でも、「どうすっかな〜。(^^)どっちでも子どもの好きな方で・・って感じやけど。
最初、一緒に暮らし始めた頃は、まだ今みたいにすっきりはしてなくて、二人のうちはこのままでいいけど子どもできたら籍入れないといろいろ大変やろなって思ってた。一般なようにしとく方がめんどくさくないやろうな、って・・・でも、2人で暮らし始めて2年経って、いろんな人に「結婚してます」っていうようになって、自分にとってはこれがしっくりいくようになったな〜って感じがする。

S:「これ」って?籍入れていないってこと?

A:そうそう。そんで、子どもできても、別姓が法律で認められるようになっても籍は入れないやろうな。ってこと。

S:子どもがかわいそうかどうかは、わからんなぁ。世の人は、家族っていうのは、同じ名字やから一体感が生まれて、家族になるんやみたいな、僕にいわせればむちゃくちゃあほな話をまじめにしはるやんか。家族そのものにも、幻想やイデオロギーがいっぱいあって、僕なんか、全然、世の「家族」ってものを信じてへんけど。姓のことでいえば、子どもの学校の先生とかに、「お父さん、こどもさんかわいそうですよ。とか言われそう。そのときはぶん殴らんようにきをつけなあかんよね」

A:殴るのはあかんで(笑)

S:・・・

A:家族ってな〜。なんか最近特にまた「家族を大事にしよう」「家族機能が低下してるから子どもが悪くなる」みたいな感じがでてきてない?
家族やから○○せなあかん。とか家族やから○○なのは当たり前。とかはイヤよね。縁あって一緒にいる。好きだから大切にしたい。大切にしたいから一人の人として関係をつくったり続けたりする努力をしていくんじゃないのかな。

S:うわぁい。家族論に入ったな。家族ってな、いやらしいものやからな。まじめな話をすれば、家族は社会を支える最小の集団で、大切にしたいものやけど、家族に必要以上に機能と、精神的つながりを外在的に付与されるのは気色悪いよね。やっぱりもっと、家族から独立していく、大人になったら個人として、自立して社会に出て行くという方が、僕はぴったしくる。
 でもさ、こういう話をすると、うちらみたいに、契約書をかわして、結婚しているって、他の人からしたら、不思議に聞こえるんやない?

A:不思議というか、たぶん「そんなんは結婚やない!」なんて言われたりもするやろね。ずっと一緒にいたいと思ってるからこそ、いつも二人の関係性に対してはシビアでありたいと思うけど。一度籍入れたら、それで安心してしまうのではなくて、1年ごとに「変わったこと、変わらないことを確認しながら、また1年よろしく」っていうのはいいと思うんやけどな〜。昌吾は私たちの関係を家族って思う?

S:familyの方がぴったりくるけど。家族は家族だと思っているよ。ただ、夫婦(パートナー)だけだと、あんまり大上段に家族ってかまえてすることってないなぁ。でも、ただの恋人同士とは違うけど。だから、家族・・・family。

A:私はパートナーとユニットを組んでるって感じで、「家族」って言葉はしっくりきてないような気もする。子どもができたら何かな。「チーム」みたいな感じかな。子どもにとっては「お父さん」「お母さん」かもしれないけど、二人の関係の中では父でも母でもないままでいたいな。だって子どもは成長したら自立して独立していくもの。やっぱりパートナーとの関係が基本でしょ。

S:パートナーとの関係の上に関係が積み重なっているって感じ。ただ、そのとき、気をつけたいのは、主従関係にならないようにだけ、気をつけたいな。でも、最近はやりの友達みたいな親子関係っていうのも、なんか危うい感じがするけどね。

A:なんかだんだん、最近読んでる児童虐待の本の影響で、家族関係に話が走っていってる〜!

A:どっちにしても、「2人でいること」がようやくわかってきたところやから、子どもができて「3人暮らし」とか「4人暮らし」とかはまだ想像できないから、きっとまた新たな発見だらけなんだろうね。

では、また来年に Good Bye!