宝塚グランドロマン
ベルサイユのばら 2001
フェルゼンとマリー・アントワネット編

原作 : 池田理代子

脚本・演出 : 植田 紳爾

演出 : 谷 正純


主な出演(敬称略)

ハンス・アクセル・フォンフェルゼン
(スウェーデンの伯爵)
和央 ようか

マリー・アントワネット
(フランス国王・ルイ16世の妃)
花總 まり

オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
(男装の王妃付き近衛隊隊長)
Wキャスト
6月29日〜7月23日 彩輝 直
7月24日〜8月12日 水 夏希

アンドレ・グランディエ
(オスカルの幼馴染み)
Wキャスト
6月29日〜7月23日 水 夏希
7月24日〜8月12日 彩輝 直

日程 : 2001年6月29日(金)〜8月12日(日)

会場 : 東京宝塚劇場
観劇日:7月20日(金) 15:30〜
(オスカル : 彩輝 直 ・ アンドレ : 水 夏希)
2階13列19番

あらすじは別ページにまとめましたのでベルサイユのばら あらすじをご参照ください。(配役ももう少し詳しく載せました。)

感想
別名:思い返してみたら書きたい事が山程でてきちゃった編(笑)


あまりにも有名な『愛 あればこそ』のメロディーと共に緞帳が上がると、『ベルサイユのばら』と書かれたカーテンの前で、小公子と小公女が♪ごらんなさい ごらんなさい ベルサイユのばら とベルサイユのばらの世界へと誘います。あまりにそのままなオープニングにのっけからビックリしました(笑)。その後3場面ほどプロローグが展開されます。フェルゼン、マリー・アントワネット、オスカル、アンドレと次々に主人公たちが主題歌を歌い次いでいきます。シャンデリアのような豪華なセットにきらびやかな衣裳…世間一般的なイメージの『タカラヅカ』な世界が繰り広げられます。たまにパロディに使われたりするけれど、やっぱり綺麗で華やかで豪華なプロローグでした。

全体を通して感じた事は、エピソードを詰め込みすぎて、物語が散漫になってしまったかなという事です。以前のベルサイユのばらはテレビ放映のものしか知らないのですが、平成版の星組・花組の話を足して2で割って、更に新たな場面を追加したといった感じで、特に第1部があっという間に過ぎていってしまったなと思いました。オスカルが近衛隊から衛兵隊に転属を願い出るエピソードもずいぶん唐突な感じを受けました。転属してすぐにパリへの出動するみたいにみえました。これなら最初から転属を望んでいる設定にした方が自然だったかなと思います。近衛隊を離れるオスカルのアントワネットへの最後の願いも拒絶されるという風になって、オスカルの苦しみが一層引き立ったのではないでしょうか?

フェルゼンとアントワネットが人目を忍んで運河に浮かべた船の上で愛を語らう場面は、船がすごく豪華で、思わず「人目を避けるには向いてないでしょう」と思ってしまいましたf(^^;。それを言ったら、フェルゼンやオスカルの軍服も戦場では目立ちすぎか…。時代背景を考えるとしょうがないのですが。

アンドレの失明のエピソードはやっぱり欲しかったなと思います。きっかけ(原作ではベルナールと争ったオスカルをかばって目にキズを負い、それが原因で目が見えなくなっていきます。)から全部語る必要はないとは思います。けれども目が見えてない事をずっと隠して耐えに耐えてきたアンドレが、最後にオスカルの姿を求めるところがすごく好きなんです。「アンドレ、見えていないのか…。なぜついてきたー!」というオスカルのセリフも大好き。ベルサイユのばらに出てくる男性は魅力的なキャラクターばかりですが(少女漫画だから当たり前ですが)、アンドレもフェルゼンもじっと耐える男の美学みたいなものがありますね。

書き直す前のレポにも書きましたが、衛兵隊士のアランが全く出てこなかった事は驚きでした。原作どおりにいかないのはわかっていましたが、原作ではかなり大きな扱いでしたので…(原作では、オスカルに最初は反発していたのに、密かにオスカルを慕っているという設定でした。)これはアンドレの失明のエピソードにも関連してくるのですが、アランが失明を隠しているアンドレを問い詰める場面(平成の花組版)がありました。ジェローデルが問い詰めるバージョン(平成の星組版)もありましたが、ここは原作どおりアランが問い詰める方が自然かなと思います。

アンドレが息絶えた後、燃え盛る炎のスクリーンをバックにシトワイヤン(市民達)にバスティーユへの攻撃開始するように言うオスカル。「シトワイヤン。行こうー!」というオスカルの大絶叫とともにスクリーンが上がると50人近いキャストがずらっと並んでいて圧巻です。ベルサイユのばらの名場面の一つだけあって、生で初めて観て鳥肌がたちそうになりました。

国王の誕生日を祝い、グスタフ3世に謁見を願い出るフェルゼンが国王とのやりとりの後歌を披露する場面。歌の後に剣の舞を舞うのですが、剣を上に投げて持ち手を変えるフェルゼンが、すごくかっこよかったです。フェルゼン役の和央ようかさんが颯爽と銀橋(「ぎんきょう」と読みます。オーケストラピットと客席の間に作られたエプロンステージの事です。宝塚独特の舞台機構です。)を渡ったところで第1部の幕が下ります。


第2部

はじめの宮殿大広間の場面も、少し間延びしていたと思います。オスカルが死んでしまって、精神に異常をきたしてしまった貴婦人役の方がいたのですが、気がふれているとわかるまで客席からは笑い声が起こってしまっていました。この場面は市民が宮殿になだれ込んできて、そこをアントワネットが諌めるという場面ですが、緊迫感に少し欠けてしまっていたと思います。アントワネットの名セリフ、「マリー・アントワネットはフランスの女王なのですから!」は迫力というか、貫禄というか…歌舞伎だったら大向こうがかかるような名場面です。花總さんかっこよかった〜(笑)。トップ娘役になりたての頃からずっと観てきていますが、高貴な役が本当に似合う方です。

フランス国境にたどり着いたフェルゼンがパリへ馬車を走らせる場面も名場面の一つです。この場面でフェルゼンが唄う歌を私はずっとなぜか「行けフェルゼン」という題名だと思い込んでました(笑)。本当は「駆けろペガサス」という題名です。

いよいよアントワネットが処刑されるときがやってきます。断頭台に登っていくアントワネットを見送るフェルゼン。「さようならベルサイユ。さようならパリ。さようならフランス!」のアントワネットのセリフに、「王妃様ーっ!」というフェルゼンの絶叫。そして大階段を1人登るアントワネットの後姿で物語の幕は下ります。ビデオで見ていた、あの場面だぁっ!と1人興奮していました。(^^;A


フィナーレ

物語の幕は下りると華やかなフィナーレナンバーに移ります。ラインダンスに続き、薔薇のタンゴと題された男役さんたちの場面。ラテン系でこれでもかーっ!といわんばかりのくっさーい(褒め言葉ですよ)ダンスです。フィナーレは大階段(おおかいだんと読みます。26段あり、1段の幅は約20cm程だったと思います。自分の足より小さい階段を一度も下を見ることもなく下りてくるタカラジェンヌってすごいと思います。)を使います。

続いてトップコンビのボレロ。トップスターの和央さんは各組のトップさんの中で一番若い方なのですが、アダルトなこのボレロも素敵でした。

フィナーレナンバーの最後は「オマージュ」と題された男役さんを中心としたダンスナンバーでした。宝塚の魅力の一つに、ビシッと揃った群舞があると思うのですが、30人以上の男役さんが全員黒燕尾姿でずらーっと大階段に並んで一糸乱れぬダンスを披露する、「これぞ宝塚」といった場面でした。大階段に並んでいるのを観ただけで、ゾクゾクしてきます。最近そういうショーの場面が少なくなってきていたので、久し振りに観れて、もうウットリ…

そして、グランド・フィナーレへと繋がっていきます。主演者全員が次々と大階段を下りてきます。先ほども書きましたが、自分の足より小さい階段を、一度も下を見ることなく下りてきます。これだけでもすごいのに、娘役さんは「輪っかのドレス」といわれる直径は1mもあろうかというドレスを着て下りてきます。全員そろったところで、悠然とトップスターが下りてきます。最後は主要なスターさんが銀橋を通って華やかな舞台の幕が下ります。


初演はおろか、再演も観た事がない私が、内容について生意気にも書いてしまいました。ご気分を悪くされた方ゴメンナサイ。あくまでも内容についてであって、各役の方がいけないとかそんな事は思っていません。ファンゆえの暴言だと思ってください。

いろいろ書きましたが、観終わって素直に「楽しかった」と思いました。華やかな舞台に圧倒されて、やっぱり宝塚っていいなーっと思いました。(^^)



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