行列に関連した問題を解くとき,対角化によって解決されることが多い.対角化とは,
行列

に対し,逆行列をもつ行列

を見つけて,
の



成分を
にす
ることである.そのとき,行列

に対して,方程式

の解は対角化と深くかかわっている.
例えば,
を対角化してみよう.このとき,上記の方程式

の解を

とし,次の行列





を考える.



を満たす

でない



をそれぞれひとつずつ求めよ.
上記で求めた



に対し,
が決まる.

の逆行列を求め,
を示せ.
この対角化の応用として
行列

の各成分を
の式で表せ.ただし,
は自然数とする.
方程式

の解が,

であるから

…
@

…
A :この
,
を固有値という.

から

よって 
……
B

……
C
@
より,
であるから
:
:
ゆえに,B
C
は同値であるから,B
C
を満たす

以外の解の
つは

同様に,
から

を満たす

以外の解の
つは
したがって 

:この
,
を固有ベクトルという
,
であるから 
よって 

……
D
が成り立つと仮定すると

となる.
ゆえに,数学的帰納法により,任意の自然数

に対して,D
が成り立つ.
よって,
から 
ゆえに 